事例から学ぶ、建設業界M&A 第4回 建設業界M&A成約事例B
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第四回目も、前回同様に建設業界M&Aを実現した成約事例をご紹介します。具体的な事例を通じて、M&Aに至った背景やシナジーについて、解説します。
■成約事例
【譲渡企業】M・G建装×【譲受企業】生活協同組合コープさっぽろ
M・G建装(北海道)は、生活協同組合コープさっぽろ(北海道)にM&Aによる株式譲渡を実行しました。M・G建装は、北海道石狩市にてリフォーム・新築工事を手掛ける企業です。
創業者である松本社長は55歳を過ぎたころから漠然と事業の永続を考え始めました。新型コロナウイルスの大流行を機に想定していたよりも早くM&Aに向けた準備をスタートさせました。
譲受け候補先を募るとすぐに関心を持つ会社が現れ、結果的に3社の企業とトップ面談を行いました。1社目は、燃料関連の企業でしたが、コロナ禍の影響でM&A自体の検討が難しくなったため、同社は辞退されました。2社目は建築会社でしたが、現場が札幌市内から遠くなる可能性があり、従業員のことを考えて、今度は松本社長が辞退しました。
そして3社目にトップ面談したのがコープさっぽろでした。コープさっぽろは道内でスーパー100店舗以上運営しており、老朽化した店舗の補修工事や新店舗建設を担う会社を探していました。一方、松本社長はコープさっぽろであれば、「今後の事業の発展」と「社員の将来の安定」を実現できると考え、コープさっぽろとのM&Aを決断しました。
社名: 凱・G建装(北海道)
事業内容: リフォーム・新築工事業
売上高: 約2.7億円 従業員数: 6名 ※M&A実行時
社名:生活協同組合コープさっぽろ(北海道)
事業内容: 食料品小売業
売上高: 約3000億円 従業員数: 1万4659名 ※M&A実行時
今回はM&Aで事業承継課題を解決した事例をご紹介しました。松本社長は事業承継に関する準備を早めにスタートすることで、ベストなパートナーを選ぶことができたと思います。事業承継はいかに準備を早く始めることができるかが非常に重要です。松本社長も具体的に何から始めればよいか分からず、金融機関を通じて当社にご相談をいただきました。まずは、お気軽にご相談いただければと思います。
執筆者プロフィール

清水 貴章(しみず たかあき)
株式会社日本M&Aセンター 業種特化事業部 建設業界専門グループ
青山学院大学経済学部卒業後、損害保険ジャパン株式会社にて保険代理店向けのコンサルティング営業に従事し、日本M&Aセンターに入社。現在、建設業界専門グループに所属し、建設業界の中堅・中小企業のM&Aを支援している。
(株)日本M&AセンターHP(https://www.nihon-ma.co.jp/sector/c_construction.php)