建設業の調達サプライチェーン最前線 データ活用から取り組む業界の最適化【第2回】製造業から取り入れる、建設部材における調達サプライチェーン最適化の手法
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前回は部材調達の生産性改善においてボトルネックとなる図面バラシや、市場環境に触れてきました。今回はこうした課題への解決策を探るため、同じものづくり業界である製造業の取り組みから得たヒントを共有したいと思います。
■製造業で生じた生産改革
製造業は18世紀に起こった産業革命を皮切りに、品質、コスト、納期の向上を目的として大量生産化が図られてきました。細かな部材一つ一つの規格化、生産体制の大規模化によって、経験効果や規模の経済を生み出すことに主眼が置かれたのです。特に製造業では「製品の品質とコストの8割は設計段階で決まる」とも言われ、CAD/CAM/CAEをはじめとした量産前の設計やシミュレーション技術が発展してきました。上記のように、”規格化”、”量産”を前提とした製造業のものづくりにおいては、知見の蓄積や改善を施しやすく、「トヨタ生産方式」に代表される数々の生産ノウハウの体系化が進んできました。
■一品一様の建設部材の”量産化”
一方、建設業では、建設する土地や空間の制約から、一品一様にならざるを得ない特性があります。建設業においても、住宅を主とした規格品の活用および量産は部分的に進んでいますが、建設物を構成する部材単位までは限界があり、製造業同様の体系化が進みづらい状況です。
こうした状況において、弊社はデータを用いた「設計のモジュール化」によって建設部材の半量産化を実現しています。
次回は、建設業に必要なカスタマイズ性を維持しながら”量産化”によって品質、コスト、納期を推進する「建設部材の調達最適化」について紹介いたします。
執筆者プロフィール

木村将之(きむらしょうの)
株式会社BALLAS代表取締役
総合商社・双日株式会社で金属・資源分野の輸出入、事業投資、事業会社の経営支援に従事し、金属3Dプリンター事業の海外展開のため、欧州へ赴任。その後、製造業スタートアップ・株式会社Catallaxyでの経営企画責任者を経て、2022年2月に株式会社BALLASを創業。
株式会社BALLAS
https://www.ballas.biz/
建設部材の最適な調達を実現する「BALLAS」
https://business.ballas.biz/