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■「社労士からみた建設業経営」=第2回=

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労働安全衛生法では、その事業場の労働者数に応じて、総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医などの選任と労働基準監督署への届出、安全衛生委員会の実施などを義務付けていますが、これらの労働者要件は、アルバイトや業務請負人を含めた人数で決まります。アルバイトが短期に入れ替わるなどでも、常態化しているのであれば、要件に該当しますので注意が必要です。
また、建設現場の場合、上記にプラスして統括安全衛生責任者と元方安全衛生管理者の選任・届出が必要となっています。
ここで注意しなければいけないのは、建築現場で統括安全衛生責任者または、元方安全衛生管理者を選任したからといって、安全管理者は選任しなくても良いということではありませんのでしっかりと選任しましょう。
更に、平成18年4月以降、衛生管理者に選任する際の要件が厳格化されており、50人以上が就労する建設業の場合は、第一種衛生管理者・衛生工学衛生管理者・労働衛生コンサルタント等のいずれかの免許を取得している者を最低1名以上、自社で雇用する必要がありますので、もし該当する場合、社員に上記の資格を取得させる必要があります。
その他、石綿を使用している建設物の解体を行う場合には特別教育も義務化されており、万一、十分な教育をせずに従事させた場合、その後、労働者が石綿による障害を起こした際には、損害賠償を請求されることにもなりかねませんのでしっかりと行う必要があります。
上記以外にも、安衛法は、さまざまな規則が制定されており随時見直しがなされています
日ごろから安全衛生管理に関心を持ち、特に労基署などの定期検査等で重要視される安全衛生管理計画書をしっかりと整備し、災害の未然防止に心がける組織作りが何よりも重要ではないでしょうか。

執筆者プロフィール

冨田社会保険労務士事務所 冨田 正幸