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【若手の離職を防ぐ5つの秘訣】第3回 なぜ、新入社員は入社してすぐ転職サイトに登録するのか

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 入社してすぐに転職サービスに登録する人が増えています。入社してすぐに転職を考えるなんて、もってのほかだという方も多いでしょう。では、新入社員はなぜ、すぐに転職を考えるのでしょうか。それには3つの理由があります。

1)コロナ禍での不安の高まり
昨今の新入社員は、学生時代にコロナを経験し、社会や経済が大きく変化するのを体感しました。両親が在宅勤務を始めた、などということもあるでしょう。このことから、自分の力でスキルを伸ばしていくとか、自分が成長していくことが、大事だと感じています。

2)配属ガチャ
「配属ガチャ」という言葉があります。「配属ガチャ」というのは、ソーシャルゲームなどでアイテムを手に入れるために回す「ガチャ」になぞらえ、「自分自身がどの現場、部署に配属されるのか、入社してみないとわからない」という不安に重ねた言葉です。最初の配属が希望から遠かった場合、またその上司を尊敬できない場合、転職のカードを切る、ということなのでしょう。

3)転職が当たり前
転職が以前よりさらに「当たり前」になったという風潮もありそうです。転職=給料ダウン、というイメージはなくなり、若い世代ほど転職によって昇給する、昇進するというポジティブなイメージを持っています。

入社してすぐ転職サイトに登録することだけを考えると「後ろ向き」な感じがします。しかし、実際はそうでなく、自分が成長することを真剣に考えるからこそで、むしろ「前向き」な行動なのかもしれません。先輩や上司自身の成長意欲、そして部下育成能力を向上させることが欠かせません。

執筆者プロフィール

ハタ コンサルタント株式会社代表取締役、 NPO法人建設経営者倶楽部KKC理事長 降籏 達生(ふるはた たつお)

降籏 達生(ふるはた たつお)
ハタ コンサルタント株式会社代表取締役、 NPO法人建設経営者倶楽部KKC理事長
1961年、兵庫県神戸市生まれ。83年に大阪大学工学部土木工学科を卒業後、熊谷組に入社。阪神淡路大震災にて故郷兵庫県神戸市の惨状を目の当たりにして開眼。建設コンサルタント業を始める。 建設技術者研修25万人、現場指導6000件を超える。建設の専門家としてテレビ、ラジオ、新聞取材多数。「がんばれ建設〜建設業業績アップの秘訣〜」は読者数25,000人、日本一の建設業向けメールマガジンとなっている。
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