「人を活かす:個人の成長が企業の成長」 =第3回=「計画的偶発性〜思えば叶う?〜」
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この場合、夢を叶える為の行動を常に起こしている状態の事を言ってい
ます。ただしそれは、時に夢とは全く別の方向に進んでいるように思え
たり、足踏みしているように感じたりする事もあります。あるいは当初
抱いていた夢とは異なる夢を見つけてしまうこともあるかもしれませ
ん。
「計画的偶発性理論」(プランド・ハプンスタンス・セオリー:Plnned
Happenstance Theory)は、ジョン・D・クルンボルツ博士が提唱した
理論です。キャリアというのは、予期せぬ出来事によって左右されるも
のであり、その予期せぬ出来事を避けるのではなく、起きた事を最大限
に活用する事で形成されていくものであるという考え方です。そしてそ
の予期せぬ出来事=""偶然""は積極的に作り出すことが出来るものであ
り、その具現化の為に必要な行動は以下の5つであると述べています。
@好奇心:新しい学びのチャンスを模索する
A持続性:失敗に負けないで努力を続ける
B楽観性:新しいチャンスは必ずやってきて、それを自分のものに出来
ると考える
C柔軟性:人生の他の選択肢にもオープンになる
Dリスクを取る:結果が見えなくてもやってみる
例えば、入社直後に任された仕事は自分が希望していたものではなかっ
たけれど一生懸命仕事をした結果、仕事ぶりが評価されて自分が本来や
りたかった仕事を任されることになった。もしくは、与えられた仕事が
思いのほか肌に合って、その仕事の専門家になることに決めたなど、起
きた出来事に柔軟性や楽観性をもって対応したことで、充実した結果
が得られたりします。「頑張っていれば、見る人は見てくれているよ
」とよく言われますが、行動し続けることで偶然と思われるようなこ
とが起こるということを、実際に経験されている方は多いのではない
でしょうか。
今、特に若い方に多いと思いますが自分の天職が何処かに必ずあって、
それに出会えたら自分はきっと変われると思っている人が少なくありま
せん。しかし、冷静に考えてみれば理想の自分に突然なれるはずが無い
のです。上記の5つの行動などを起こし、多くの失敗も含んださまざ
まな経験をして自分つくり≠していく事が、最終的には満足のい
くキャリアを形成していく近道です。
そして企業は、社員にこのような行動を起こさせる為に、前向きで積極
的な行動を取れる環境を作り出していくこと、「頑張っていれば、見る
人は見てくれているよ」の見る人になっていくことが求められます
執筆者プロフィール
天野社会保険労務士事務所 社会保険労務士 CFP(R) 天野由加里 http://www.amano-sr.net/