「建設業の経営と安全の大切さ」=第1回=「建設業経営の根幹は安全確保から」
いいね | ツイート |
0 |
最近の建設業の動向を見ると、工事採算に直結する資機材価格や労務費の高騰で各社の収益環境は一段と厳しさを増しており、まさに「建設業不況」といえる状況です。ただし、だからといって、不況が労働災害の責任を取ってくれるものではありません。
全産業で働く労働者は約6000万人、そのうち建設業の労働者は約10%の530万人です。一方、労働災害死亡者数1265人のうち、建設業は443人(2006.11)で35%を占めています。
どうして、労災死亡者数に占める建設業の割合は高いのでしょうか。建設業は危険な仕事だからなのでしょうか。
最近の建設業の動向を見ると、工事採算に直結する資機材価格や労務費の高騰で各社の収益環境は一段と厳しさを増しており、まさに「建設業不況」といえる状況です。ただし、だからといって、不況が労働災害の責任を取ってくれるものではありません。
全産業で働く労働者は約6000万人、そのうち建設業の労働者は約10%の530万人です。一方、労働災害死亡者数1265人のうち、建設業は443人(2006.11)で35%を占めています。
どうして、労災死亡者数に占める建設業の割合は高いのでしょうか。建設業は危険な仕事だからなのでしょうか。
このような状態にある建設業ですから、貴社の安全管理がいかに大切なものか、お分かりいただけることと思います。これから夏に向かいます。より一層安全管理を重視してください。
1. 労働災害は経営を直撃する
会社の建設現場で労働災害を起こすと、被災作業者自身が肉体的・精神的・金銭的に大きな打撃を受けるだけでなく、会社にとっても賠償責任の発生や工事の遅れによる損失など、いろいろな問題が多発します。発注者・元請けや被災者の家族などにも迷惑を掛け、その結果、会社の経営をも危惧しなければならないような状況となります。
では、労働災害が企業経営に与える大きな影響について考えてみましょう。自社の安全管理を怠り、労働災害を多発させる企業は、働く人の労働意欲を低下させることはもとより、「あの会社は事故が多いから…」とレッテルを貼られ、有能な社員の確保もできなくなり、生産性の低下により経営の失墜を招く結果となります。
2.企業は「人命尊重」をモットーに
作業員を雇って事業を営む経営者は、まず「人命尊重」を基本理念に事業を進めることが当然の理であります。
労働災害により、作業員の死亡や、重傷を負ったりして身体に障害を残すことにでもなれば、本人はもとより家族や周辺の者の苦痛や心労は相当なものとなります。場合によっては一家の離散となることもあるでしょう。会社においても、やっと一人前になり、ようやく収益を上げられるようになった技術者や技能者を労働災害によって奪われることは最悪の損失です。
[お問い合わせ先]
全建経営指導センター
代表 天本 武
TEL : 03-5405-2641 FAX: 03-5405-2642
URL : http://zenken-keiei.com
E-MAIL: zenken@herb.ocn.jp
講演・企業指導・企業診断・社員研修等相談を承ります
執筆者プロフィール
全建経営指導センター代表 天本武