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「中小建設業の事業再生の考え方・進め方」第2回 ことばの定義その2

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前回に引き続き、用語についてのお話しです。
 前回は「事業再生」とその他の類似用語、概念とのちょっとした違いについて述べましたが、ちょうど配信されたころに「第二会社方式」において、建設業の許可を承継させることができる、という一部報道を目にしました。
 この「第二会社方式」というのは「事業再生」の中ではエース格の手法でして、 「中小企業再生支援協議会」(これも後日、くわしく説明します)において債務圧縮を伴うスキームの中で最も取扱事例の多いものとなっています。

 「第二会社」というのは俗称で、事業を承継するための「受け皿会社」のことの総称なのですが、その「第二会社」へ「事業譲渡」または「会社分割」の手法をもって事業の中身を移し、既存の会社は清算等させて終わりにする、というのが、いわゆる「第二会社方式」というものになります。(この1文だけでも解説の要する単語が山積してますね)

 この「第二会社方式」を取ると、借金が大きすぎて、そのままの財務状況では、せっかく事業そのものは元気になれても、会社として不健全である、といった場合に、財務と事業を切り分けることができるので、「事業再生」にはうってつけ、というわけです。

 ただし欠点もあって、その大きなものとして、基本的に違う会社になってしまうので、各種の許認可が引き継がれない、という点があげられます。 そこでその点を解消すべく、「産業活力再生特別措置法」(ちなみにこれは産業再生機構や中小企業再生支援協議会設置の根拠です)に基づく認定をうければ、許認可も第二会社へ承継できる、という画期的な制度ができた、というのが冒頭の報道内容となるわけです。

 このことは、実に画期的なことなのですが、そのあたりのことは今後再度触れることとして、とりあえず関連する中小企業庁発行の資料のURLを紹介します。

http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/shien/2008/download/081225Shiryou03-01.pdf

以上、今回は「第二会社方式」ということばについてちょっと深入りするとともに、「事業再生」のイメージを少し深くしたつもりですが、いかがでしょうか?

ではまた次号で!

執筆者プロフィール

中小企業診断士 大熊康丈