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JAPIC国土造りプロジェクト構想     D外濠(市ヶ谷〜飯田橋)地区再生プロジェクト

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 東京都心の外濠(市ヶ谷〜飯田橋)地区を対象に、外濠沿いの幹線道路・外堀通りの地下化や地下貯留槽の整備、外濠の水質改善などを行い、開放的で快適な水辺空間を創出する。
 同地区は現在、外堀通りが、外濠の水辺と街のつながりを遮断している。さらに、濠の斜面が急傾斜で、容易に水辺に近付けない。また、外濠には、出水時に合流式下水道から下水が流入することなどから、水質が劣悪で、汚濁に強いコイも生息できない状態だ。
 構想では、水辺と街を分断している外堀通りを、延長約2`にわたって地下化する。さらに、トンネル上部のプロムナード化を、沿道建築のセットバックとともに進める。セットバックに伴い建物の容積率をアップする。
 外濠では、治水機能を維持するため、地下に約22万立方bの貯留槽を建設。貯留槽の上部に人工水面を整備する。
 トンネル化した外堀通り上部のプロムナードと人工水面の間の法面を緩傾斜化し、斜面と人工水面を一体化。カヌーなどマリンレジャーを楽しめるゾーンを含め親水空間を形成する。
 外堀通りの地下化は開削工法で、交差する地下鉄・都営新宿線直下は推進工法で施工する。概算工事費は約650億円。
 地下貯留槽は、JR線との近接施工を考慮し、地中連続壁工法で構築。概算工事費を約300億円とみている。
 このほか、トンネル上部の道路とプロムナード整備に約30億円、水辺空間整備に約20億円を見込んでおり、主要部分の工事費の総額を約1000億円と想定している。総工期は約7年間。
 =日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)国土・未来プロジェクト研究会の『国土造りプロジェクト構想』より=