JAPIC国土造りプロジェクト構想 E都心辺縁部の駅まち空間再構築
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戦後、住居と商業が混在して無秩序に発展した、都心から10〜20`圏の「都心辺縁部」の再構築について、交通結節点である東京の東急・自由が丘駅周辺と、大阪の阪急・十三駅周辺を対象にケーススタディーを行った。
検討に当たり、都心辺縁部の拠点駅の問題として、広場の不足▽人と車両の混在▽緑の欠如▽駅によるまちの分断―などを挙げ、都心や周辺核都市と比較して競争力や魅力が失われていると指摘。
また、都心辺縁部の今後の在るべき姿を、大都市を支える知的人材が新しい働き方・住まい方を実現する「職住遊融合・価値創造エリア」だとし、玄関口の拠点駅について、“人を惹きつける駅まち空間”として再構築すべきとした。
東急東横線と大井町線の乗換駅の自由が丘駅は、大井町線の地下化や、周辺街区の共同化や再開発によって、駅前公園や広場などを整備。歩行者空間を拡充する他、路面店との貫通通路やデッキ接続によって回遊性を高め、にぎわいを創出する。
また、屋上緑化や太陽光パネル設置、最先端モビリティーの導入によって脱炭素化に貢献する。また、エネルギープラントや雨水貯留槽で防災力を高める。東横線の駅には屋上公園も整備する。
阪急・十三駅では、駅前エリア周辺部を再整備し、オープンスペースでつないで新旧街区を融合する。また、なにわ筋線の新駅建設に伴う駅の大改造をきっかけに、エリアのイメージを一新しつつ、“カオス”な一面も残した都市核を形成する。
さらに、駅前の国道176号跨線橋を撤去し、歩行者空間を形成する。また、高架橋の十三バイパスを地上化し、機能を周辺大規模開発と連携させる。
=日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)国土・未来プロジェクト研究会の『国土造りプロジェクト構想』より=