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事例から学ぶ、建設業界M&A 第2回 建設業界M&A成約事例@

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 第二回目は、建設業界M&Aを実現した成約事例をご紹介いたします。具体的な事例を通じて、M&Aに至った背景やシナジーについて、解説いたします。

■成約事例
【譲渡企業】友建設×【譲受企業】FFFホールディングス
友建設(熊本市)は、FFFホールディングス(福岡市)にM&Aによる株式譲渡を行いました。友建設は、創業から40年以上にわたり、地元熊本県内を中心に木造建築を手掛けてきました。創業者である宮本和博社長は、後継者不在の課題を抱え、一代で会社を畳むことも考えましたが、ここまで支えてくれた従業員やお客様、取引先のことを考えて、会社の存続と発展のためにM&Aを決断しました。数ある譲受候補先の中から宮本社長が相手として選んだのが、住宅資材卸売やリフォーム工事などを手掛けるFFFホールディングスでした。これまで1社単独では実現できなかった商圏の拡大やサービスの拡充の実現が見込まれます。M&Aによって友建設はFFFホールディングスから新しい社長を迎え、宮本社長は取締役会長に就任し、FFFホールディングスと共に更なる成長を目指します。

社名: 蒲F建設(熊本市)
事業内容: 建築工事、土木工事ほか
売上高: 約4億円(2021年12月期) 従業員数:8名

社名: FFFホールディングス梶i福岡市)
事業内容: 衛生陶器・金具、住宅設備機器、管材卸売、不動産賃貸ほか
売上高: 約103億円(2021年9月期) 従業員数:25名

 いかがでしたでしょうか?今回はM&Aによって事業承継問題を解決した成約事例をご紹介いたしました。全ての企業において、事業承継は解決しなければならない課題です。会社そしてそこで働く従業員の事を考えて、会社を誰に託すべきかを慎重に検討していく必要があります。次回も引き続き建設業界M&Aの成約事例をご紹介いたします。

執筆者プロフィール

清水 貴章(しみず たかあき)

清水 貴章(しみず たかあき)
株式会社日本M&Aセンター 業種特化事業部 建設業界専門グループ 青山学院大学経済学部卒業後、損害保険ジャパン株式会社にて保険代理店向けのコンサルティング営業に従事し、日本M&Aセンターに入社。現在、建設業界専門グループに所属し、建設業界の中堅・中小企業のM&Aを支援している。 (株)日本M&AセンターHP(https://www.nihon-ma.co.jp/sector/c_construction.php