事例から学ぶ、建設業界M&A 第3回 建設業界M&A成約事例A
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第三回目は、前回同様に建設業界M&Aを実現した成約事例をご紹介します。具体的な事例を通じて、M&Aに至った背景やシナジーについて、解説します。
■成約事例
【譲渡企業】北有建設・北興産業×【譲受企業】コムシスホールディングス
北有建設・北興産業(北海道)は、コムシスホールディングス(東京都)にM&Aによる株式譲渡を実行しました。北有建設・北興産業は、北海道美唄市を本社とし、舗装工事、土木工事、アスファルト関連の建設資材の製造・販売業などを展開してきました。当時の北有建設・北興産業の業績は、非常に好調で財務状態も盤石な状態でした。また社長も50代前半であり、客観的にみて会社を譲渡する必要がない企業でした。しかし、かねてから人材の採用・獲得に課題を抱えており、会社の更なる成長のためにM&Aによって、コムシスホールディングスという上場企業グループ入りを決断しました。コムシスホールディングスは、電気通信工事から社会インフラ工事全般を手掛けるメガプラットフォーム企業です。この提携によって北有建設・北興産業は、上場企業グループとして採用活動に取り組むことが可能となりました。またそれだけではなく、北海道エリアにおいてグループとして、広範囲な事業展開を実現できる体制を整えました。M&Aを実行してから約3年経過した現在では、北有建設・北興産業の売上・従業員数ともに増加しています。
社名: 竃k有建設(北海道)
事業内容:舗装工事、土木工事、廃棄物処理等
売上高:約14億円(2018年5月期) 従業員数:28名 ※M&A実行時
社名:北興産業梶i北海道)
事業内容:骨材販売、コンクリートの切断など
売上高:約3億円(2018年9月期) ※M&A実行時
社名:コムシスホールディングス梶i東京都)
事業内容:情報通信工事事業、電気通信設備工事事業及び情報処理関連事業など
売上高:約380億円(2018年3月期) 従業員数: 1万1581名 ※M&A実行時
いかがでしたでしょうか?今回はM&Aによって人材難という経営課題を解決した成長戦略M&Aの成約事例を紹介しました。企業経営のさまざまな課題をM&Aという手法で解決することが可能です。自社の経営課題をM&Aという手法で解決ができないか、成長戦略としてM&Aが検討できないかを、一度考えてみることをおすすめします。次回も引き続き建設業界M&Aの成約事例をご紹介します。
執筆者プロフィール

清水 貴章(しみず たかあき)
株式会社日本M&Aセンター 業種特化事業部 建設業界専門グループ
青山学院大学経済学部卒業後、損害保険ジャパン株式会社にて保険代理店向けのコンサルティング営業に従事し、日本M&Aセンターに入社。現在、建設業界専門グループに所属し、建設業界の中堅・中小企業のM&Aを支援している。
(株)日本M&AセンターHP(https://www.nihon-ma.co.jp/sector/c_construction.php)