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死亡災害発生件数の過去最低を実現させよう!

 2010年の静岡県内の建設業死亡労働災害は12件で、前年と横ばいとなったが、ことし1月から5月末時点では2件の発生にとどまっている。これは、05年の「10件」を下回るペースだ。
また、建設業が全産業の死亡災害に占める割合が5月末で15.4%と、これまでにない低水準を維持している(2010年は30%)。この週間を機会に「安全」の大切さについてあらためて考えよう。活動を積極化させ、過去最低だった05年の死亡災害件数(10件)を更新させよう。
今回の「安全特集」では、新宅友穗静岡労働局長のインタビューをはじめ、県内で初めてコスモスの認定を受けた大河原建設(島田市)の取り組みなどを掲載する。

 

静岡労働局 新宅友穗局長インタビュー

 県内全産業の死亡労働災害が伸びる中、建設業が低い水準で推移していることを評価する一方、依然として割合の高い「墜落・転落」、「建設機械」による事故の防止策が必要だと語った。また、建設業の発展のために「一人一人の命を大切に、安心できる職場づくりを」と呼び掛けた。

 

静岡労働局・新宅友穗局長静岡労働局・新宅友穗局長

■県内の建設業の労働災害の発生状況を説明してください。
2010年の実績では、全産業を見ると、死亡者は40人で前年に比べると9人の増加です。そのうち建設業は12人で前年と横ばいです。全産業が伸びる中、建設業は低い水準で推移しています。
また、2010年度の全産業で休業4日以上の死傷災害は4180人。前年に比べ138人(3.4%)の増加ですが、建設業は前年に比べ13人(2.4%)の減少となっています。業界としての取り組みが結果に結びついていると考えています。
ただ、建設業の死亡災害の特徴として、12件のうち4件が墜落・転落、2件が建設機械による事故といわゆる三大災害のウエートが高い。これは大きな問題ととらえています。このあたりの対応を徹底することがポイントとなります。防止対策の実施を強化していただきたい。
そして、ことしに入ってからの建設業の死亡者数は、6月16日現在で2人と前年同期に比べ4人減少している。過去最少だった2005年(10人)の同期は3人となっている。ぜひ、この調子で低水準を維持してほしいと思います。

■墜落・転落、建設機械事故防止に必要な取り組みは。
一昨年の安全衛生規則改正で足場対策が強化されています。ことしも指導強化に努めます。足場先行工法、さらに一歩踏み込んだ手すり先行工法を現場に普及・徹底し、墜落・転落の防止措置を充実させ、事故の未然防止に努めていきたいと思います。特に発注者側は、足場関係の経費として適正な額を計上することが必要です。足場の重要性について、一層のご理解をお願いします。
また、従来型の建設機械による災害についても安全対策を徹底していきます。建設機械事故の防止には、とにかく近寄らないことがポイントです。バリケードをつくり、作業している(動いている)人が容易に立入禁止の区域を認識できるようにすることが大切です。

■リスクアセスメントについてお聞かせください。
08年度から第11次労働災害防止推進計画がスタートしています。すべての労働者が『安全であること、健康であること』を実感できる職場の実現を目指して取り組むものです。中でも「リスクアセスメント」の導入は、同計画推進の大きな柱の一つで、建設業については業界全体で普及に取り組むことを求めます。「リスクアセスメント」は、労働災害全体を減少させるリスク低減活動の推進に欠かせないものです。実施率の着実な向上に努めていきますのでご協力をお願いします。

■熱中症対策についてお聞かせください。
2010年に熱中症による死亡は全国で47人で県内は5人でした。そのうち建設業はゼロでしたが、5人とも屋外での作業で発症しています。建設業の皆様も十分に気をつけていただきたい。予防対策としては@作業環境管理A作業管理B健康管理−が挙げられます。作業員同士がお互いの体調などを気遣うといった雰囲気づくりも重要です。

■建設業界に対してメッセージをお願いします。
建設業は、日本経済にとってとても重要な業界です。だからこそ、今後も発展していかなければならないと考えます。そのためには、安全で安心な働きがいを持てる職場を目指し、人材を確保し育成しなければなりません。要は、各企業のトップがどれだけ本気で取り組めるかにかかっていると思います。その思いが強いほど、下請けや取引先に、さらに業界全体に良い影響をもたらすと思います。この安全週間が良いきっかけになればと思います。

 

安全特集・安全を次世代へ伝承!

 

安全・朝倉社長安全・朝倉社長

 

 建設業労働災害防止協会(建災防、錢高一善会長)から、建設事業場の建設業労働安全衛生マネジメントシステム(COHSMS)の構築・運用状況を評価・認定する「COHSMS認定事業」の認定証を県内で初めて大河原建設(島田市 朝倉純夫社長)が取得した。
同社では、「システム委員会」を毎月開いて、システムの運用・展開・実施状況を常にチェック。システムマニュアルには、項目ごとにフロー図を記載して理解しやすくし、社員全体に浸透するよう工夫した。
今回の認定は、渡辺組(北海道湧別町)、宮脇大木建設(北海道岩見沢市)、大林組名古屋支店、奥村組名古屋支店、小国開発(山形県小国町)の全国の6社(建設事業場)とともに交付された。現在、COHSMS認定証の交付数は全国で62件・44社。
今回、COHSMSの認証取得でも注目を集める大河原建設(島田市)の朝倉社長に話を聞いた。

 

県内初のCOHSMS認証を実現した大河原建設(島田市)の朝倉社長インタビュー

 

 認証へと至ったいきさつについて「危険と隣り合わせの建設業界では、無事故無災害は常に第一のスローガン。わたし自身、社員や協力会で『安全』を合言葉に常に指導してきた」と話す。
しかし「会社の未来を考えた時、いくら言葉で呼び掛け、指導したところで次世代にまで、『安全』意識は伝承されていくのかという疑問があった」ことを明かす。
そういった中、COHSMSという建設業労働安全衛星マネジメントシステムの存在を知り、このシステムが導入後も会社の安全管理を維持向上させられるシステムであることを確信。取得に向けての取り組みが2007年10月から始まった。
「体系的な安全システムを求めていた私どもにとっては、大変魅力的だった。もともと、大手ゼネコンが多く認証されていたのを見て、ローカル企業には馴染まないのでは、という思いもないわけではなかったのだが…」。一抹の不安も多少はあったようだ。
それでも、「当社でも熟練工が減少し、技術の伝承が困難になってくることを見越し、事故の発生を未然に防ぐためには、作業現場ごとではなく会社全体での取り組みが重要であると判断した」。
同社では、認証されるまでの期間、「システム委員会」を毎月開き、運用や実施状況の確認作業を続けてきた。
「担当となった労安部長の下、結成した委員会では入念なチェック作業を積み重ねてきた。認証取得は、これまで社員と協力会の皆さんの理解と協力があってこそのもの」と関係者を労う。
認証取得までの約3年にわたる取り組みは、11年3月25日の認定証交付でひとまず実を結んだ形となった。
それでも、「目的はあくまでも安全システムの導入であり、認証取得がゴールではない。社員や協力会の皆さんに安全・安心を提供することが、私どもの使命」と話す目は、安全への更なる先を見据える。

 

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