応援!2025大阪・関西万博
〜えがく、つくる、たのしむ〜〈2025年1月号〉

2025年4月13日、大阪市の夢洲(ゆめしま)で大阪・関西万博が開幕する。
国を挙げて取り組むこの一大イベントの成功に向け、企画・整備・運営に携わる多くの人たちにより、万博会場がどのようにえがかれ、えがかれたデザインがどのようにつくられ、つくられた会場をどのようにたのしむことができるか。
建通新聞では24年10月から25年3月まで、大阪・関西での万博開催のさらなる機運醸成へ、月替わりで「応援!2025大阪・関西万博〜えがく、つくる、たのしむ〜」を連載する。創造力や技術力を結集した会場施設を紹介する他、万博に関わる人たちへのインタビューなどを通じて、未来社会を照らす万博の魅力、そして未来への入り口となる建築の魅力を伝える。
On April 13, 2025, the Osaka-Kansai Expo will be held at Yumeshima, Osaka City. People involved in the planning, developing, and operating of this national event will be asked to draw up a plan of how the Expo site will be envisioned, how the envisioned design will be created, and how visitors will be able to enjoy the created site.
From October 2024 to March 2025, we, Kentsu Shimbun, will publish a series of monthly articles entitled "2025 Osaka-Kansai Expo ~Design, Build, and Enjoy~" to help build momentum for the event. In addition to introducing the venue facilities that combine creativity and technology, the series convey the appeal of the Expo as an illuminator of future society and of architecture as a gateway to the future through interviews with people involved in the Expo.
1. 万博首長連合澤井宏文会長に聞く 大阪・関西万博への取り組み
Mayoral Alliance for Expo
「2025年日本国際博覧会とともに、地域の未来社会を創造する首長連合」(万博首長連合)は、日本全体の発展を担う目的で設立された全国666の自治体からなる連合体。大阪・関西万博を通じて日本中の首長や政府、多様な業界の企業と連携し、世界に向けた地域文化の発信を行っている。「万博は地域を盛り上げる絶好の機会になる」との思いを語る万博首長連合の澤井宏文会長(松原市長)にこれまでの取り組みや万博がもたらす自治体への効果について聞いた。
Mayoral Alliance for EXPO 2025 OSAKA, KANSAI, JAPAN is an alliance of 666 local governments throughout Japan, established to take charge of the development of Japan as a whole. Through Osaka-Kansai Expo, the Alliance is working with local leaders, governments, and companies from a wide range of industries to promote local culture to the world. We interviewed Hirofumi Sawai, Chairman of the Mayoral Alliance and Mayor of Matsubara City, Osaka, about their efforts to date and the effects the Expo will have on local governments. Sawai expressed his belief that “the Expo will be an excellent opportunity to energize local communities.”
万博首長連合 澤井宏文会長
―万博の開催に向けてどのような取り組みを行っているのか。
万博リングプロジェクトでは、万博の世界への発信に向け、大屋根リングの視察や勉強会、国際交流会を実施した。国際交流会には、47の自治体と19カ国が参加した。大阪府外の地域の方からも「万博の開催を期待している」という声が多く、われわれの活動方針でもある「万博を盛り上げる」ためのきっかけづくりになった。
大屋根リングの視察
―万博弁当も取り組みの一つだ。
地域の食の魅力を発信するため「万博弁当」を企画した。多くのメディアにも取り上げられ大好評だった万博弁当第1弾に続き、会員自治体の皆さんから70個を超える食材の応募を頂き、全国38の地域と共創し、39個の食材が一つに詰まった地域の魅力あふれる「万博弁当第2弾」が完成した。2023年11月には、公益財団法人2025年日本国際博覧会協会が主催する「大阪・関西万博開幕500日前イベント」の会場で披露した。自然の恵みと伝統技法を生かした新たなお弁当を万博会場で販売できるように進めているので、来場者の皆さまにも召し上がっていただきたい。
日本中の地産品が詰まった万博弁当
◆地域にこそ日本の宝がある――LOCAL JAPAN展に43自治体が参加
―万博で出展されるLOCAL JAPAN展について聞きたい。
「日本の良さは地域にある、地域にこそ日本の宝がある」と思っている。その良さを発信する場としてLOCAL JAPAN展を企画した。全国から集結した43の自治体が参加し、伝統文化や音楽、食、健康など六つのテーマで展示や舞台を披露する。いろいろなものを見て、食べて、体験してもらい、五感で感じていただくような仕掛けをつくった。日本人だけではなく海外から来た方にも、その地域の魅力を知ってもらうことによって、実際に現地へ訪れたくなるようなイベントにしていきたい。
―出展する43の自治体のうち共同出展の協定を結んだグループもある。
岸和田市、貝塚市、香川県東かがわ市、高知県須崎市の4市が共同出展し、各市の伝統工芸の技術と魅力を職人の思いとともに届けていく。岸和田市ではだんじり彫刻、貝塚市ではつげ櫛、東かがわ市では手袋、須崎市では虎斑竹工芸を出展する予定。それぞれの資源や強みを共創させることで、今後の地域創生にもつながっていくと思う。今回のこの4市をモデルケースとして、万博後もこのような取り組みを全国各地で広めていきたい。
◆万博を通じて新たなビジネスマッチングにもつながる
―ビジネスや観光面ではどのような効果を万博に期待しているか。
万博には海外の方も含めて、約2820万人が来場されると言われている。多数の人とモノがこの6カ月間で大阪に集中することで、そのにぎわいを全国に波及することができると考えている。
さらに、それぞれの催事会場で今まで知らなかった食や伝統芸能、ものづくりに海外の方が触れることで、新たなビジネスマッチングにもつながる可能性があると思う。
―市長を務める松原市でも万博のイベントを行っている。
地元で開催している「まつばらマルシェ」に万博エリアを設置し、訪れた方にさまざまな国の料理を楽しんでいただいた。さらに、市で進めている万博関連の国際交流事業に15カ国を招き、本市の魅力の再発見と万博への関心を高めるプロジェクトを実施した。本市が2月に市制施行70周年を迎えることから、70周年と万博を掛け合わせた事業を展開し、市を盛り上げていく。
―開催に向けて会場整備に奮闘する建設会社にメッセージを。
大屋根リングや日本館、各パビリオンの建設現場を見た時、「この人たちが頑張ってくれているから万博が開催できるのだ」と感じた。万博の成功を願いながら現場で働いている方々に改めて感謝を伝えたい。
2. 多種多様な海外パビリオン
Official Participants' Pavilions
161の国・地域が参加する大阪・関西万博では、各国が出展する多種多様なパビリオンも目玉の一つ。海外参加国の出展形態には、各国が独自で設計・建設する「タイプA」や万博協会が建設し各国が内外装を整備する「タイプB」、協会が建設した建物に複数の国が出展する「タイプC」などがある。各国の趣向を凝らしたパビリオンにはどのような思いが込められているのか。その一部を見る。
One of the main highlights of the Osaka-Kansai Expo, in which 161 countries and regions will participate, will be the wide variety of pavilions that each country will exhibit. The pavilions of the official participants include "Type A," in which each country designs and builds its own pavilion, "Type B," in which the Expo Association builds the pavilion and each country prepares the interior and exterior, and "Type C," in which multiple countries exhibit in a building built by the Association.
海外パビリオンの一覧
■アイルランド / Ireland
三つの渦巻きが組み合わさったアイルランドの芸術として知られる「トリスケル」をベースとしたパビリオンは、アイルランド産の木材を含む地球環境に優しい資材を使用。アイルランドと日本に共通する豊かな工芸精神の伝統を反映している。
■アゼルバイジャン共和国 / Republic of Azerbaijan
来場者はパビリオンに施されたアーチを通過するごとに「七つの美」を体感し、文化的な知識や知恵を得ることができる。建築と没入型の技術などを組み合わせることで、万博のサブテーマである「命をつなぐ」を体現する。
■アメリカ合衆国 / United States of America
「わび・さび」から着想を得た三角形の木造建築物2棟の上にはライトアップされたキューブが置かれ、2面のLEDスクリーンにはアメリカの名所が映し出される。交流や協力、成長を促し、持続可能な社会や教育などに共に取り組むことを目指している。
■イタリア共和国 / Italy
「ルネッサンスの理想都市」を近代的に再解釈したパビリオンでは、「芸術は生命を再生する」のテーマの下、各種イベントや展示によって最新技術と伝統が融合した“Made in Italy”が披露される。
■ウズベキスタン共和国 / Republic of Uzbekistan
先進的な建築と遺産や文化を融合したデザインで、外観は刺しゅうや装飾品などで彩られている。パビリオン内には、教育とイノベーション、クリーンエネルギーに分かれた展示が用意され、持続可能な開発目標に貢献する取り組みを紹介する。
■オーストラリア連邦 / Australia
同国のシンボルであるユーカリの花から着想を得たデザインは、国の活気と多様性を象徴しており、パビリオンには、過去の国際的なイベントで使用された資材などを再利用している。内部では、最新技術や文化などを体験できるイベントやビジネスプログラムを開催する。
■オーストリア共和国 / Republic of Austria
パビリオンの前に置かれる五線譜をイメージしたオブジェが特徴。パビリオン内の三つのエリアでは、同国から遠隔で演奏されるピアノの展示が行われる他、来場者が演奏する楽器を選び、作曲する体験が可能。会期中には音楽家のモーツァルトが使用したバイオリンを用いたコンサートも予定されている。
– Austria. Composing the Future
The pavilion is characterized by an object in front of the pavilion that resembles a musical staff. In three areas of the pavilion, a piano played remotely from Austria will be exhibited, and visitors will be able to choose an instrument they wish to play and compose their own music. A concert using a violin used by Mozart is also scheduled during the exhibition.
<オーストリア大使館提供>
■オマーン国 / Sultanate of Oman
多様な自然と地形の特徴からインスピレーションを得たパビリオンでは、豊かな大地、水、人間に関わる長い歴史を展示し、水が自然と人間、生き物をつなぐことを表現する。
■カタール国 / Qutar
同国の伝統的な帆船「ダウ船」から着想を得たパビリオンは、隈研吾建築都市設計事務所が手掛ける。パビリオンは木造で、日本産の杉材を使用している。
■カナダ / Canada
「再生」をコンセプトとするパビリオンの外観は、カナダで見られる自然現象「水路氷結」を表現し、儚い氷の造形が魅力。内部では、カナダの温かさや開放性などを表現し、来場者は同国の革新性や多様性、創造性などを体験できる。
■サウジアラビア王国 / Kingdom of Saudi Arabia
同国の伝統的な都市構造物から着想を得たパビリオンでは、独自の伝統や遺産、価値観を探求することができる。サウジアラビアに深く根差した文化遺産や都市を探索しているような空間体験から、新たな魅力を発見することができる。
■オランダ王国 / Kingdom of the Netherlands
「コモングラウンド」をテーマとしたパビリオンは、持続可能なクリーンエネルギーと日の出を表現する球体が特徴。使用する資材にはIDナンバーを付け、閉幕後も追跡可能としている。資源不足と化石燃料からの脱却を目指し、再生可能なクリーンエネルギーについて紹介する。
−Creating A New Dawn Together on Common Ground
The "Common Ground" themed pavilion features sustainable clean energy and an anthropogenic (‘man-made’) sun symbolizing the rising sun. All materials used will have ID numbers so that they can be tracked even after the exhibition closes. The pavilion will showcase renewable and clean energy, with the aim of de-carbonization and phasing out of source scarcity.
<Copyright AND BV& Plomp>
■スイス連邦 / Swiss Confederation
緑豊かな景観の中に五つの「球体」を埋め込んでいるのが特徴で、展示室のシェルは軽量構造で建築されている。パビリオンでは、健康・栄養やサステナビリティ、人工知能などを取り上げる。
■スペイン王国 / Kingdom of Spain
海と太陽がパビリオンの建築のシンボル。展示では「黒潮」からインスピレーションを受けている。
■チェコ共和国 / Czechia
最新のCLTパネルとボヘミアン・クリスタルが用いられた回廊状のパビリオン。来場者は回廊を歩きながら同国の理解を深めていく。マスコットキャラクターは「レネ」。
■中華人民共和国 / People’s Republic of China
パビリオンの外壁は伝統的な書道の巻物を広げた形をモチーフとしている。自然に順応し、自然と調和して生きる文化をアピールするような展示を備える予定。
■ポーランド共和国 / Republic of Poland
外観は木材を基調としており、同国の創造性と革新性の波が広がることを表現している。パビリオン内のコンサートルームでは、作曲家・ショパンのピアノ曲を楽しむことができる。
– Poland. Heritage that drives the future
The exterior is based on wood, representing the country's expanding wave of creativity and innovation. In the concert room inside the pavilion, visitors can enjoy piano music by the composer Chopin.
Pavilion design:Alicja Kubicka and Borja Martínez – Interplay Architects
■ドイツ連邦共和国 / Federal Republic of Germany
パビリオンの名称「わ!ドイツ」には、循環の「環(わ)」、調和の「和(わ)」、感嘆の「わ!」の三つの意味を込めている。パビリオンは円筒形の木造構造を組み合わせた外観で、建物全体で循環経済や循環型社会を表す。
■トルクメニスタン / Turkmenistan
「より良い明日を作り出す」をテーマに、丸みを帯びた三角形のデザインが特徴的な天井は「循環」「サステナビリティ」「生命の流れ」を表現。パビリオン内では、文化や歴史、サステナビリティに重点を置いた経済発展を体験できる。
■バチカン市国 / The Holy See
イタリアパビリオン内に設置されるバチカンパビリオンは、「美は希望をもたらす」がテーマ。愛と献身、信仰の変革の象徴となった画家・カラヴァッジョの作『キリストの埋葬』が展示される。
■バーレーン王国 / Kingdom of Bahrain
「海をつなぐ―五感で巡る旅」がテーマ。没入型の展示を通して、同国の海洋文化を体験することができる。
■フランス共和国 / French Republic
テーマは「愛の讃歌」。自分への愛や他者への愛、自然への愛などさまざまな「愛」の形に導かれる新しい未来のビジョンを提案する。パビリオンのエントランスは開放的な劇場がデザインされており、外観は劇場のカーテンのようなベールで覆われている。
■北欧館 / Nordic Pavilion
アイスランドとスウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドの北欧5カ国が共同で出展。木造建築のパビリオンは、北欧のデザインとサステナビリティを体現している。展示スペースの他、カフェ、会議室、ミーティング施設を備え、日本や日本企業との交流と関係強化を目指す。
−Nordic Circle
Five Nordic countries - Iceland, Sweden, Denmark, Norway, and Finland – will be exhibiting together. The wooden architecture of the pavilion embodies Nordic design and sustainability. In addition to the exhibition space, the pavilion is equipped with a café, conference rooms, and meeting facilities, and aims to promote exchange and strengthen relations with Japan and Japanese companies.
©The Nordic Pavilion
■ベルギー王国 / Kingdom of Belgium
「水」をコンセプトとしたパビリオンは水の三態である「固体」「液体」「気体」をそれぞれのエリアで表現する。展示エリアには、ライフサイエンスやヘルスケアなどの最新技術が紹介される。パビリオン内ではレストランも設置する予定。
■ポルトガル共和国 / Portugal Republic
「海洋:青の対話」をテーマとするパビリオンは、来場者が生命を育む資源としての「海」を探求するマルチメディア体験が可能。テーマはパビリオン内のレストランで提供される食でも体験することができる。
■モナコ公国 / Principality of Monaco
館内と庭園での没入型体験を通じて来場者に環境問題への意識を高めてもらうことを目指す。館内のワインバーでは、モナコの中心部にあるホテルのワインセラーから選りすぐられたワインなどが提供される。
■ルクセンブルク大公国 / Grand Duchy of Luxembourg
テーマは「Doki Doki―ときめくルクセンブルク」。持続可能性と循環型社会のビジョンを共有し、「ドキドキ」するような体験を提供する。パビリオンは膜屋根を持つ鉄骨構造で、万博閉幕後に可能な限り再利用する目標を掲げている。
3. 「幸せの都市」を共に描く 「未来の都市」パビリオン
"To the City of Happiness" -Future City
「未来の都市」パビリオンの外観<提供:2025年日本国際博覧会協会>
(画像は開発中のイメージです)
未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博「未来の都市」パビリオンでは、「幸せの都市へ」をテーマに、2025年日本国際博覧会協会と協賛する12者の企業・団体が15のアトラクションによる未来体験を提供。「サイバーフィールド」と「フィジカルフィールド」が連携・融合した先進的な映像と展示により、来場者にさまざまな問いを投げかけ、未来の都市像を共に描くことを目指す。
CO2削減や資源循環、災害対策などの社会課題に向き合い、自然との共生を実現する「ものづくり・まちづくり」の分野では、青木あすなろ建設とコマツが「未来の水中工事」をコンセプトマシンの大型模型などで紹介する。
また、関西電力送配電は「交通・モビリティ」の分野に出展。来場者は、拡張現実上で未来社会の次世代型プラットフォーム「スマートポール」が実現する未来として、モビリティ、防災、観光領域でのソリューションを体験する。
この他にも、「Society 5.0と未来の都市」「環境・エネルギー」「食と農」の分野での取り組みの展示を計画している。
パビリオンは全長約150b、展示面積約3300平方bで、今回の万博の中でも大規模な施設となる。外側の被膜がメッシュスクリーンで覆われているのが特徴だ。万博会場の入場ゲート「西ゲート」からすぐに位置する。
As one of the Future Society Showcase Project, "Future City" Pavilion will provide visitors with 15 attractions and experiences of the future under the theme of "To the City of Happiness" by the Japan Exposition Association 2025 and 12 co-sponsors. The pavilion aims to ask visitors a variety of questions and to share a vision of the city of the future through advanced visual images and exhibits that combine and integrate the "cyber field" and the "physical field. ”
In the field of "manufacturing and urban development" to face social issues such as CO2 reduction, resource recycling, and disaster countermeasures, and to realize symbiosis with nature, Aoki Asunaro Construction and Komatsu will introduce "Underwater Construction of the Future" with a large model of a concept machine.
In addition, Kansai Electric Power Transmission and Distribution will exhibit in the field of "Transportation and Mobility.” Visitors will experience solutions in the areas of mobility, disaster prevention, and tourism as the future realized by "Smart Pole," a next-generation platform for the future society on augmented reality.
Other planned exhibits include initiatives in the fields of "Society 5.0 and Future Cities," "Environment and Energy," and "Food and Agriculture.”
The pavilion is 150 meters long and has an exhibition area of approximately 3,300 square meters, making it one of the largest facilities at the Expo. It is characterized by a mesh screen covering the outer membrane, located right next to the West Gate of the Expo site.
迫力ある大型スクリーンで“未来の水中工事” 青木あすなろ建設とコマツ
展示イメージ
青木あすなろ建設とコマツは、オフィスからの遠隔操縦により誰もが活躍できる「未来の水中工事」を出展する。水中施工ロボットによる未来の水中工事を、迫力ある大型スクリーンを使って3編のショートムービーで紹介する。
両社は、激甚化・頻発化する自然災害や少子高齢化などによる工事の担い手不足といった社会課題の解決に向け、電動式の水中施工ロボットの開発に取り組んでいる。水中での工事を作業機の自動制御とICT機能により、熟練技術がなくとも遠隔操縦で高精度かつ容易に施工できる環境を目指す。2023年7月にはコンセプトマシンが完成し、これまで河川や漁港などでの実証を行ってきた。
会場では、コンセプトマシンの精緻な大型模型の展示や3Dディスプレイによる水中の体験演出なども実施し、リアル感・わくわく感を提供する。
自身のアバターがまちを探検“ミライスコープ” 関西電力送配電
展示イメージ
関西電力送配電は、未来社会の次世代型プラットフォームである「スマートポール」を設置し、本体に搭載した各機能の実証を行う。また、スマートポールが実現する未来のまちを、自分自身の分身(アバター)が探検する没入型体験コンテンツ「ミライスコープ」を展開する。
スマートポールは通信基地局や公衆Wi-Fi、街路灯、防犯カメラなどを備えた多機能ポール。災害時には、風力発電や太陽光発電から蓄電池にためた電気を使って街路灯を照らし、スマホの充電なども可能にする。将来的には自動運転のサポートやドローンを使った見守り機能など、都市に新たな機能を提供するプラットフォームを目指している。
実証では、風力およびペロブスカイト太陽電池による発電や、湾曲型ディスプレーによる情報掲出、AIカメラによる人口解析・迷子探査などの個々の性能を評価する。来場者にもAIカメラによる迷子探査のデモンストレーションを体験してもらう。
ミライスコープでは、自動運転などのモビリティ領域、非常時の避難誘導などの防災領域、地域の情報発信などの観光領域で、スマートポールによるソリューションを体験できる。
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