京都、奈良、和歌山の拠点都市を結び京阪神都市圏の環状道路を構成する「京奈和自動車道」。延長約120kmの高規格幹線道路で、西名阪自動車道など既存の高速道路、主要な国道と連携することで相互のネットワークを形成。近畿大都市圏での時間短縮を図るとともに、観光振興やまちづくりを支援する路線として期待されている。
これまでに京奈道路17km、大和御所道路の郡山南IC〜橿原北IC間7.8km、五條道路7.9km、橋本道路11.3kmを順次供用開始。現在は大和北道路の奈良IC〜西名阪自動車道間6.3km、大和御所道路の残区間19.4km、紀北東道路16.9km、紀北西道路12.2kmで事業が進む。このうち大和御所道路と紀北東道路の一部区間は、2011年度に開通する予定だ。
※IC=インターチェンジ、JCT=ジャンクション
大和御所道路
大和御所道路(27.2km)は、大和区間と御所区間で構成される。大和区間は大和郡山JCT(仮称)〜橿原・大和高田IC(仮称)間13.8km。06年度に郡山南ICから橿原北ICまでの7.8kmが供用しており、引き続き西名阪自動車道〜郡山南IC間1.6kmの橋梁工事を推進。供用予定は13年度。大和郡山JCT(仮称)の工事は、NEXCO西日本が実施している。
御所区間は橿原・大和高田IC(仮称)〜五條北IC間13.4km。橿原・大和高田IC(仮称)〜橿原南・御所IC(仮称)間3.7kmが6工区、橿原南・御所IC(仮称)〜御所南IC(仮称)が7工区、御所南IC(仮称)〜五條北ICが8工区となり、このうち6工区を11年度に暫定2車線で供用させる。
6・7工区は高架橋工事がメーン。7工区は14年度の供用を目指し、今後上部工事を発注する。8工区については16年度以降に供用開始する見通しで、工事中の巨勢山トンネルなどを整備していく。
【40mの広幅員で床版工】
橿原・大和高田IC(仮称)付近の東坊城2号橋とBランプ第2号橋、Cランプ第2号橋、根成柿1号橋の計4橋を施工しています。東坊城2号橋は、上下線にON・OFFランプが分合流する区間で、幅員40mという広い幅員の床版工を行うのが特徴的です。
昨年10月に現場に入り、6月末の進捗率は81%。従事者数は、最も多い日は60人で各種の作業を進めており、無事故・無災害で今秋の完成を目指します。9月には地元小学生の現場見学会も開く予定です。
紀北東道路
紀北東道路(16.9km)は、高野口IC〜かつらぎIC(仮称)間4kmを3工区、かつらぎIC(仮称)〜粉河・那賀IC(仮称)間8.4kmを4工区、粉河・那賀IC(仮称)〜打田IC(仮称)間4.5kmを5工区とし、事業を展開。このうち3工区が11年度に暫定2車線で供用する。4・5工区については13年度の供用開始を目指す。
02年度に用地取得に入り、06年度に工事着手した。トンネル区間はなく、土工が中心となる。11年度は主に改良工事、橋梁上下部工事、調査設計を推進する。
3工区では今後、舗装や施設関係の工事に着手していく。4・5工区においても土工・下部工を全面的に進めており、名手川高架橋、中津川橋では上部工も発注済み。
橋梁上部の少数桁化やPCコンポ橋の採用、道路構造の見直し(橋梁から土工に変更)によりコスト縮減を図っている。
【下部工と併せ工事用道路を】
和歌山県かつらぎ町移〜紀の川市名手下において、PC4径間連続ラーメン箱桁橋363m、中空式橋脚3基、圧入オープンケーソン基礎3基、橋台2基を施工していきます。
昨年8月に現地着手し、大型車が通れるよう下部工と並行して工事用道路を整備中です。張り出し施工の上部工は来年夏にスタートする予定ですが、地元に進捗状況を随時お知らせし、理解を得ながら工事を前進させます。