JR東日本(渋谷区)は16日、東京駅丸の内駅舎保存・復原の工事現場を報道関係者に公開した。戦災により南北のドームや3階部分を失った建物を、創建当時の姿へ再現、さらに300bを超える長さの建物全体の免震化、地下躯体の構築も実施している。鹿島・清水・鉄建JVが施工を担当し2007年にスタートした工事は、駅機能を継続的に使用しながら24時間体制で進む。仮設や足場の合い間からは、昔ながらの「赤れんが駅舎」の姿を垣間見ることができた。
ホーム > 特集 > 企画 >東京駅 丸の内駅舎保存復元工事
東京駅 丸の内駅舎保存・復元工事を公開 JR東日本
建通新聞東京2011/11/25掲載
工事は地下躯体工事や免震層の設置を終了、現在は外壁や屋根、内装工事を進めている。工事進捗率は約69%。
保存・復原に際しては、創建当時の図面の多くが失われていて、詳細は古い写真や絵はがきを参考にして図面を描いたという。また、補修や補強を施して、できる限り既存部材の継続利用を図った。
保存する地上1〜2階部分は、内装を取り去った後、鉄骨れんが造の壁などをむき出しにして状態をチェックし、必要に応じてクラックの補修や鉄骨・コンクリート補強を進めている。床スラブは骨材に石炭やコークスの燃料殻が用いられていて強度が不足していたため、現代の工法で打ち替えた。
鉄骨れんが造の再現が難しいことから、3階部分の復元には鉄骨鉄筋コンクリート構造を採用した。屋根材は既存の天然スレートを一部で再利用したほか、材料の3割程度を石巻市など東日本大震災の被災地から取り寄せ使用している。
ドーム内部も往年の装飾を再現。レリーフは工場で製造して搬入し、金物で取り付けて隙間をしっくいで埋めた。戦災で焼け黒色化した既存レリーフも可能な範囲で現状のまま再利用している。
地下躯体構築は駅舎の全重量約7万dを仮受けした後に、逆打ち工法で行った。掘削の過程で、使用されていた約1万本の松杭を撤去した。仮受け期間中に駅舎に変形が生じないよう計測・ジャッキ制御には細心の注意を払った。
免震用に駅舎と地下躯体の間に設置したアイソレータは352台、オイルダンパーは158台。免震レトロフィット工事として国内最大級の規模となった。
工事は屋根や外壁工事を年明けにも完了し、2012年10月の全体オープンを目指す。
所在地は千代田区丸の内1-9-1。
その他の特集
[New]建設資材価格マーケット(2025年4月)
- [New]『地域とあゆむ建築』を次世代へ―
建設資材価格マーケット(2025年3月)
- 今、そして未来へ つながる中部42.6
- 応援!2025大阪・関西万博〜えがく、つくる、たのしむ〜〈2025年3月号〉
建設資材価格マーケット(2025年2月)
- Catch-up
- 応援!2025大阪・関西万博〜えがく、つくる、たのしむ〜〈2025年2月号〉
- 全国の企業・就活生応援 建設業界に熱視線!
- 四国4県内本社企業(完工高1億円以上)完工高・評点一覧
建設資材価格マーケット(2025年1月)
- 新電子版の主な機能 - 「新」電子版特設ページ
- 新電子版の料金 - 「新」電子版特設ページ
- 応援!2025大阪・関西万博〜えがく、つくる、たのしむ〜〈2025年1月号〉
建設資材価格マーケット(2024年12月)
- 応援!2025大阪・関西万博〜えがく、つくる、たのしむ〜〈12月号〉
建設資材価格マーケット(2024年11月)
特集コーナー
このコーナーでは、入札情報関連の話題や建設業界注目の情報、工事ニュースなどを取り上げます。