ホーム > 特集 > 完成特集 > 【静岡県】浜松城天守門完成


浜松城公園の歴史的価値を高め、観光の視点からも来訪者の増加に期待がかかる天守門が完成した。
天守門は脚部が通路、その上に櫓(やぐら)が乗る櫓門(やぐらもん)と呼ばれ、2012年7月から整備が進められてきた。広島大学大学院の三浦正幸教授監修のもと、石垣や門下に埋まった礎石(そせき)の保護を徹底しながら復元につなげてきた。その慎重かつ丁寧さを窺わせるひとつが、両側の土塁に設置された杭だ。石垣へ与える影響を考え、人力によって直径1bの杭孔の掘削に十分な時間を要している。
さらに、木材はすべて市産材の桧、杉、松を使用。建築に当たり、櫓の床材は浜松工業高校と天竜林業高校の生徒が鉋(かんな)がけをするなど、地元の力を結集した歴史的建造物といえる。式典は29日に開催される。

浜松市長 鈴木康友
浜松市では、「浜松城公園の歴史的魅力を向上させ、浜松城跡としての価値を顕在化し、未来へ継承すること」を目的として、平成22年に浜松城公園歴史ゾーン整備基本計画を策定、平成24年7月から天守門整備工事に着手してまいりましたが、このたび完成の運びとなりました。本工事の施工に際しましては、多くの皆様方のご理解とご協力を賜り、深く感謝申し上げます。
天守門は、江戸時代初期に天守が喪失してから、浜松城の特徴的な存在だったとされています。江戸時代後期の絵図にも残っており、近年の発掘調査等により規模や構造が明らかになりました。建物は木造平屋建て、建築面積78.01平方b、延床面積56.74平方メートルの規模です。下部が幅約5b、高さ約4bの城門で、上部が幅約11b、奥行き約5b、高さ約5bの櫓です。古い石垣と、真新しい白壁が美しいコントラストを見せています。家康公ゆかりの出世城へ、ぜひお越し下さい。


- 工事名 :平成24年度浜松城天守門整備工事
- 規模 :建築面積78・01平方b 延床面積56・74平方b
- 構造 :木造、櫓門、入母屋造り、本瓦葺き
- 設計 :フジヤマ(浜松市中区)
- 監理 :加藤英明建築設計室(浜松市中区)
- 施工 :中村建設(浜松市中区)
- 工期 :平成24年7月8日〜平成26年3月末
- 所在地 :浜松市中区元城町100-2