生徒の健全な育成にとどまらず、学校と地域を結ぶアイテムとして、学校施設の芝生化がその芽を出し始めた―。
学校施設の芝生化に京都市が取り組み始めたのは、今から13年前の2002年度のこと。その前年に京都経済同友会が海外視察で学校の芝生グラウンドを見学した際、自分たちのまちでも学校施設での芝生化を普及させたいとの強い思いを持ったことがきっかけだった。
02〜05年度までは同友会によるNPO芝生スクール京都が、芝生整備などの初期費用を負担。維持管理に必要な経費を京都市が担う形でスタートし、06年度以降は京都市が初期費用からトータル的に事業を行い、地域やNPOがサポートしている。
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【京都市】芝生化で芽生えた地域の絆
市立幼稚園、学校を対象に、14年度までに23施設で整備を実施してきた。芝生が導入されたことによるメリットは、子どもたちの心身の健康や体力向上にプラスなだけではなく、地域社会の結び付きにも良い効果を発揮しているようだ。
山科区の百々(どど)小学校では、近くの市民やPTAなど約200人が、芝生の種まきから維持管理に携わる。芝生の上で元気に遊ぶ子どもたちを、地域に集うさまざまな人たちが大切に見守り、子どももこうした大人たちと自然に交流を深めている。維持管理を重ねることで、芝生化が生んだ地域の絆は、着実に育ってきた。
一言で維持管理といっても、1年間を通して芝生のコンディションを保っていくことは難しい。その土地の性質を熟知し、芝生の環境を維持していくための技術継承は、普及に向けた課題といえそうだ。
15年度も新たな施設での芝生化に向け、導入施設の検討が進行中。効果のある整備とするために、利活用のメニューや維持管理の体制をどうしていくかなど、導入に向けた事前の協議に重きが置かれている。ここ数年は、年間2〜3施設で整備を行ってきた。15年度の整備着手は、導入施設の決定後、年明けぐらいになる見通しだ。
地域の交流や結束に、新たな光を与えつつある京都市での学校施設による芝生化事業。維持管理やコストといった課題を克服し、市民の力によって普及が拡大することに期待したい。
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