2017年11月の選挙で当選し、3期目を迎えた。「区民第一、現場第一」「スピード感」を区政運営の基本に据えている。こうした方針を掲げ活動できるのは、自ら区役所職員として積み重ねてきた経験と実績に基づいているからだろう。
「夢と誇りあるふるさと葛飾」の実現に向け、区役所庁舎移転や小中学校の改築、公園や水の拠点整備、待機児童緊急対策などの今後の取り組みについて青木克德葛飾区長に聞いた。
■本庁舎移転の計画が具体化してきました。
「京成立石駅の北側では、立石駅北口再開発組合が再開発ビル2棟を建設します。東街区のビルは、地下3階地上13階建て延べ約40400平方㍍で、このうち3～13階の約28000平方㍍のスペースに区役所の総合庁舎を移転する計画です。3～5階は来庁者が多い戸籍や福祉関連の「総合窓口ゾーン」を配置し、業務連携に配慮して「一般窓口ゾーン」「事務室ゾーン」「災害対策ゾーン」などを配置します。「区議会ゾーン」は最上階とする予定です。再開発ビルの着工予定は19年。新庁舎部分の工事を区で発注するか、再開発ビルの事業主に依頼するかはこれから決めます。新庁舎の概算事業費は264億円となっています」
■移転後の現庁舎用地の活用方針は決まっていますか。
「築60年を経過する本館は解体します。新館は築40年程度のため、建物を活用する考えです。本館の跡地と新館の具体的な活用方法は、駅からの距離を考慮した上で用途などを見極め方向性を固めます」
■人口増加を受けて基本計画に沿った小中学校の改築が進んでいます。
「区内には小学校が49校、中学校が24校あります。校舎のコンクリート劣化度の詳細な調査に基づき、計画的に改築を進めています。小松中学校と東金町小学校、高砂小学校は改築し、本田中学校と西小菅小学校は一部改築・改修します。毎年1校のペースで改築していく計画です。改築するほど老朽化していない学校施設に関しては、長寿命化計画を策定した上、大規模修繕を行います」
■公園は改修だけでなく新設にも取り組んでいますが、その狙いは。
「緑化という側面だけでなく、地域の防災活動拠点となり得る大きな公園が必要だと考えています。現在は、青戸七丁目公園、奥戸一丁目公園、水元二丁目公園の新設に向け動いています。公園に適した空地は、区が積極的に取得していく方針です。鎌倉公園など既存公園の改修も進めます」
■まちづくりにおける今後のテーマは。
「国が抱える課題と同様、葛飾区でも高齢化が進んでいますが、区内の子どもの人口は増えており、待機児童緊急対策で保育施設整備などの施策を展開しています。災害対策も重要です。地域に根差した企業や団体と災害協定などを締結し、行政機関として共助と公助の体制を構築していきます。葛飾区をさらに安心・安全で住みやすいまちにするため、区の取り組みを多様な手法で広く発信する動きをさらに強めていきます」
