「まち・ひと、ともに育ち輝く伊予市」の実現に向け、舵を執る武智邦典市長。 「動けば変わる」の信念の下、即現場・即対応の動きと市民との対話を重視する。人口減少や高齢化社会への対応など、まちづくりの観点からみた市の課題対策について考えを聞いた。
◇2018年度当初予算の特徴やインフラ整備について。
急速に進行する人口減少・少子高齢化対策を地域の最重要課題として捉え、18年度の当初予算は、行財政改革のさらなる推進や「選択と集中」の徹底による財源配分により、防災減災対策、子育て支援の充実、移住・定住の推進、地場産業の育成など「市民の声に耳を傾けた、誰もが納得できる市政」の実現を目指した編成を行っている。インフラ事業としては、防災備蓄倉庫の整備、老人福祉施設の建設、道路維持修繕および新設改良、橋梁の新設改良、車両基地・貨物駅などの周辺整備、図書館・文化ホールの建設等に対し、約23億8700万円を予算化している。
◇橋梁、道路などのインフラ老朽化対策への取り組みについて。
高度経済成長期に大量に建設された道路構造物が、今後急速に老朽化していき、橋梁については10年後には建設後50年を経過するものが40%を超える。橋梁、トンネルについては5年ごとの点検が義務付けられており、当市においても国の社会資本整備総合交付金を利用し、順次点検、長寿命化計画の策定、対策工事の実施などに取り組んでいく。その他、道路インフラ施設も同様に、予防保全の観点から適確で計画的な維持・管理を行い、安全・安心な道路空間を維持形成していく。
◇上水道管路の耐震化や今後の整備計画について。
近い将来発生が予想される南海トラフ地震などに備えるため、災害に強く安定した水の供給が可能な水道施設を目指して、耐震化事業を推進していく。17年度末の本市の基幹管路の耐震適合率は21・3%で、第2次伊予市総合計画で掲げている25年度末の耐震化率45%を達成するべく、管路の敷設替えや耐震補強を進めていく。実施に際し、必要な管路口径の見直しや、管の老朽度による施工の優先準備などを検討した上で、年次財政計画を策定し、国・県の補助を受けながら、事業の推進を図っていく。

◇中山スマートインターチェンジ(IC)について。
整備効果は、災害時の多重性の確保や救急医療機能の充実・向上などを想定しているが、中山地域の振興、活性化にも大きく寄与する。現在、同IC開設を見据え、観光客の増加と定着化を図るべくクラフトの里を「道の駅なかやま」としてリニューアルオープンすべく、施設の改修を進めている。今後は、同施設を中山地域の拠点施設また新たな玄関口として他の観光施設との連携を強化するとともに、スマートICとの近接性を生かした産業の活発化を図り、同IC開設を起爆剤として、さらなる中山地域の発展につなげていきたい。
◇建設業界へのメッセージについて。
建設産業は、地域のインフラの整備・維持の担い手であると同時に、地域社会の安全・安心の確保を担う地域の守り手として、なくてはならない存在だ。また基幹産業として地域の雇用、地方創生への貢献など、大きな役割を果たしていただいている。引き続き、地域の特性に根ざした事業の展開はもちろん、活力ある地域作りに貢献していただきたい。